「パソコン教室ISA」ライターチームです。
日々の業務において、Excelでのデータ集計や転記といった繰り返し作業に多くの時間を費やしている人も多いでしょう。こうしたルーチンワークを効率化し、生産性を向上させる手段として「VBA」が注目されています。VBAを習得すれば、複雑な処理もワンクリックで完了可能です。
本記事では、VBAの基礎知識からマクロとの違い、業務自動化の事例、学習方法までを解説します。プログラミング未経験の人もぜひ参考にしてください。
ExcelのVBAとは?
VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Office製品に含まれるプログラミング言語です。ExcelやAccess、Wordなどを操作し、処理を自動化するために開発されました。
ExcelにおいてVBAを使えば、標準機能にはない独自の処理を追加したり、複雑な計算を瞬時に終わらせたりできます。環境構築の手間が少なく、Office製品があればすぐに始められるため、初心者が学ぶ言語としても最適です。
VBAとマクロの違い
「マクロ」と「VBA」は混同されがちですが、明確な違いがあります。
- マクロ:Excel上の操作を記録・再生する「機能」そのもの
- VBA:マクロを記述するための「プログラミング言語」
マクロの記録機能を使えば、操作手順が自動的にVBAのコードとして生成されます。記録機能は単純な操作の再現には便利ですが、条件によって処理を変えるような複雑な自動化には、VBAを直接記述する必要があります。
VBAとRPAの違い
RPA(Robotic Process Automation)も業務自動化ツールとして知られていますが、VBAとは操作範囲とコストが異なります。
| 項目 | VBA | RPA |
| 操作範囲 | ExcelなどOffice製品が中心 | パソコン上の全アプリ(Web、基幹システムなど) |
| コスト | 追加費用なし(Officeがあれば無料) | 専用ツールのライセンス料が必要 |
| 速度 | Excel内部で動くため高速 | 画面操作を模倣するため比較的遅い |
Excel業務の自動化ならVBA、複数のシステムを横断する業務ならRPAという使い分けが一般的です。
VBAとPythonの違い
データ分析で人気のPythonとVBAも、得意領域が異なります。
- VBA:Excelとの親和性が高く、社内の定型業務や帳票作成に最適。環境構築が不要で配布もしやすい。
- Python:AI活用や機械学習、大量データの高速処理が得意。ただし、環境構築が必要で導入ハードルは高め。
日常的なExcel業務の効率化にはVBA、高度なデータ解析にはPythonと、目的に応じて選ぶことが重要です。
\ VBA試験の詳しい情報を受け取る /
VBAを活用してできること
VBAを習得すると、手作業では時間がかかる業務を自動化できます。おもな活用事例を4つ紹介します。
データの集計・転記・グラフ作成の自動化
複数のファイルやシートに散在するデータを、1つのシートに集約する作業はVBAの得意分野です。例えば、各支店の売上ファイル(Excel)を読み込み、本社用ファイルへ自動転記できます。さらに、集計結果からグラフを作成するところまでを一括処理可能です。
請求書や報告書などの帳票作成
一覧表データから個別の帳票を作成する作業も自動化できます。顧客リストと売上データをもとに、顧客ごとの「請求書」シートを作成し、宛名や金額を入力してPDF保存する処理が作成可能です。手作業で数時間かかる発行業務も、数分で完了します。
Outlookと連携したメールの一斉送信
VBAはOutlookとも連携可能です。Excelの顧客リストをもとにOutlookを操作し、件名や本文に個別の情報を差し込んでメールを一斉送信できます。請求書PDFを作成後、そのままメール添付して送付するフローも完全自動化できます。
Webデータの取得(スクレイピング)
ブラウザを操作してWebサイトの情報を取得する「スクレイピング」も可能です。競合サイトの価格調査や株価情報の取得などに利用されます。ただし、サイト構造の変化によるエラーや、サイト側の利用規約には注意が必要です。
パソコンスクールISA
Office・IT・プログラミング等の
パソコンスキルアップを徹底サポート!
東京、横浜、埼玉、千葉の
最寄駅5分以内!オンライン授業も
VBAを利用するメリット
業務効率化の手段としてVBAを選ぶことには、他のツールにはない明確なメリットがあります。
特別な環境構築が不要ですぐに始められる
最大のメリットは、Excelさえあれば追加費用なしで始められる点です。別途ソフトをインストールする必要がないため、思い立ったその日に開発をスタートできます。
手入力によるミスをなくし業務の正確性が向上する
手作業によるコピペや計算はミスが避けられませんが、VBAならプログラム通りに正確に処理されます。データ量が多くても正確性は変わらず、確認・修正の手間も大幅に削減が可能です。
VBAルーチンワークの時間を短縮しコア業務に集中できる
定型業務を自動化することで、業務時間を劇的に短縮できます。空いた時間を企画や改善活動などの「コア業務」に充てることで、個人のスキルアップや会社の利益拡大が見込めます。
\ Excel講座の詳しい情報を受け取る /
VBAを利用するデメリット
多くのメリットがある一方で、VBAには運用上の注意点やデメリットも存在します。導入前にリスクを理解しておくことが重要です。
ツールが属人化しやすく引継ぎやメンテナンスが困難になる
作成者しか中身がわからない「属人化」が起きがちです。退職などで作成者が不在になると、不具合発生時に誰も対応できなくなるリスクがあります。コメントを残す、マニュアルを作るなどの対策が必要です。
ExcelやOSのバージョン更新で動作に影響が出る場合がある
OfficeやWindowsのバージョンアップにより、マクロが動かなくなることがあります。特に長期運用するツールは、定期的な動作確認とメンテナンスが欠かせません。
パソコン教室ISAの体験授業で自分にあったレベルを相談してみる
パソコンスクールISA
Office・IT・プログラミング等の
パソコンスキルアップを徹底サポート!
東京、横浜、埼玉、千葉の
最寄駅5分以内!オンライン授業も
VBAの始め方
ExcelでVBAを始めるための準備手順を3ステップで解説します。
開発タブを表示してマクロ有効化設定を行う
まず、リボンに「開発」タブを表示させます。
- 「ファイル」>「オプション」>「リボンのユーザー設定」を開く
- 「開発」にチェックを入れて「OK」
これで「開発」タブが表示されます。セキュリティ設定で「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」にしておくと安全です。
VBE(エディタ)を起動して画面構成を確認する
コードを書くための「VBE」を起動します。「開発」タブの「Visual Basic」をクリックするか、「Alt + F11」キーを押します。左側にファイル一覧(プロジェクトエクスプローラー)、右側にコードを書くウィンドウが表示されます。
標準モジュールを挿入して記述の準備をする
コードはおもに「標準モジュール」に記述します。VBEのメニュー「挿入」から「標準モジュール」を選択すると、白い画面が表示されます。これで準備完了です。
\ VBA試験の詳しい情報を受け取る /
VBAを使うときに押さえるべきポイント
VBA習得の第一歩として、最低限理解しておくべき基本的な文法や概念を紹介します。
プロシージャの構成と「Sub」から「End Sub」まで
プログラムは「Sub プロシージャ名」で始まり、「End Sub」で終わります。
Sub [サブルーチン名]() 実行するコードEnd Sub
サブルーチン名(マクロ名)は、日本語でつけても問題ありません。
変数・定数の宣言とデータ型の基本
データを一時保存する「変数」は、データ型を指定して宣言します。
Dim [変数名] As [データ型]
データ型には、整数を入れる「Long」型や、文字列を入れる「String」型、日付を入れる「Date」型などがあります。
セルの値を取得・設定する基本コード(Range・Cells)
セルの操作とは、Excelの特定セルを指定して、値を読み取ったり書き込んだりすることです。
Range(“[セル番地]”)Cells([行番号], [列番号])
「Range」は “A1” のようにセル番地で指定し、「Cells」は 1, 1 のように行と列の番号で指定します。初心者は直感的なRangeから使い始め、繰り返し処理などで位置をずらしたい場合はCellsを使うと便利です。
条件分岐(If)と繰り返し(For)の基本ステートメント
条件分岐とは、セルや変数の値などの条件に応じて、処理内容を変更するコードのことです。
If [条件] Then [条件が真の場合に実行されるコード]Else [条件を満たさない場合に実行されるコード]End If
たとえば「点数が80点以上なら合格、それ以外なら不合格と表示する」といった判定を行う際に使用します。
繰り返し処理とは、決まった回数だけ同じ処理を自動で繰り返すコードのことです。
For [変数] = [開始値] To [終了値] [繰り返すコード]Next [変数]
たとえば「1行目から10行目まで順番にデータを入力する」といった処理に使用します。手作業では大変な大量データの処理も、これを使えば一瞬で完了します。
\ パソコン教室の詳しい情報を受け取る /
VBAを効率的に学習して習得する方法
VBAは独学でも習得可能ですが、効率よく学ぶためには自分に合った学習方法を選ぶことが大切です。
書籍や学習サイトを利用して独学する
コストを抑えたいなら書籍やWebサイトがおすすめです。実際にコードを書いて動かす「写経」が効果的です。エラーの原因を自分で調べる過程で力がつきます。
パソコン教室やセミナーを活用する
短期間で確実に習得したいなら、パソコン教室やセミナーが近道です。プロの講師から直接指導を受けることで、正しい記述ルールや、実務で使える効率的なテクニックを学べます。また、エラーが発生した際にその場ですぐに質問できるため、学習の停滞を防げます。
VBAは、日常業務を効率化する強力なツールです。マクロやRPAとの違いを理解し、適切な場面で活用すれば、単純作業を減らして付加価値の高い業務に注力できます。
環境構築不要ですぐに始められるVBAは、プログラミング入門にも最適です。まずは簡単なセル操作から始め、徐々にスキルを高めていきましょう。
独学に不安がある人や、短期間で確実にスキルを習得したい人は、専門のスクールで学ぶのも1つの手です。カリキュラムの内容やサポート体制について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の資料をチェックしてみてください。















